Wikiに結構いい事が書いてあって「ビバップの発展過程での揺り戻し」とあるのだけど、戻るってどこへ?、という事が落ちている。

これはずばり「パーカー回帰」であると断言する。ビバップの頃の録音を聞くと、パーカーとパウエルとブラウンは割と「同じような音」を出しているが、同じ楽器を扱う別の奏者は「違う音」を出していることに気づく。パ-カーから離れちゃうけど、パウエルとホープとモンクとニコルスは全員同じビバップのカテゴリーの奏者だが全員違う音を出す。ところがハードバップになると音色とかイントネーションとか微妙なピッチとかの「演奏者の個性」はともかく、フレーズで選ぶおたまじゃくしの種類とかコードに対するソロの組み立てとか、そういう部分はみんな似たり寄ったりになって上にあげたような「奏者が違えば選ばれる音も違う」と言うようなことはなくなってしまう。で、遡ると「その音」の正体はパーカーが出した「音」にそっくりなんである。

はっきり言って、全員が「パーカーのエビゴーネン」に化けたのが「ハードバップ」だと思う。

もう一方でハードバップの特徴の一つに「POP化」という側面があったことも間違いのない事実だと思う。スタンダードの進行を原型としながらも「器楽演奏」であることに徹していたビバップに対してハードバップはどちらかと言うと同じ進行ながら「歌のない歌謡曲」により近接する。ありていに言って「シャリコマ度」が10倍増し。

「難解の懐柔」と「ビバップの商業音楽化」が同時進行したのがハードバップではなかったかと思う。